本稿は、教育実習生として遣わされた横須賀学院高等学校における2022年6月8日(水)の放送礼拝説教 の原稿です。 教育実習生 東京神学大学大学院1年 金森一雄
「五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、『霊』が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話し出した。」
― 使徒言行録2章1~4節 ―
復活された主イエスは、弟子たちの見ている前で昇天されました。
弟子たちの心は、ぽっかり穴が空いてしまいました。不安な状態に陥りましたが、一同は、一つになって集まっていました。
そして復活後、50日目に三位一体の神である「聖霊」が降臨して、「一人一人の上にとどまった」という出来事が起こりました。そのため、キリスト教会では、この日を教会の誕生日としてお祝いしています。
最初の聖霊降臨は、2,000年前の出来事でしたが、聖霊に満たされた弟子たちは、ローマはもとより世界中に向けて福音を伝える足となったのです。聖霊は、いつもわたしたちと共にいてくださり、愛と恵みに富み、わたしたちの体のすべての部分を用いて働かれるのです。
横須賀学院は『敬神愛人』を建学の精神としている学校です。70年の歳月を経て、神さまに導かれて、少子化が叫ばれるている中にあっても過去最大の生徒数となっているとお聞きしています。聖霊なる神さまは、厳しく、聖なる方ですが、同時に、愛に富み給う方で、実にユーモアあふれる方です。年齢制限の規定があれば、横須賀学院が創立された一年前に生まれて73歳になろうとする私は、受け入れていただけなかったと思います。
この教育実習中に、多くの人から教職の免許を取られたら教員になるのですか?と聞かれました。「まさか本当に教鞭をとるなどとは言わないでしょう」というお気持ちなのでしょう。モーセが出エジプトの働きに召されたのは80歳ですから、「今を生きるをモットーとしています」と、お答えしています。
今年は6月5日の日曜日が、聖霊降臨を祝う、「ペンテコステ礼拝」の日でした。翌、月曜日には、時折嵐のような風が吹く一日となりました。
道端や庭木の花々、そして田植えを終え稲穂の成長を祈るばかりの状況にありますから、恵みの雨に間違いありません。
横須賀学院の朝一番には、すべての先生が職員室に集って讃美歌を歌い、聖書を読んで主なる神に祈りを捧げ、聖霊で満たされた日になりますようにと祈っています。
先週の水曜日から、わたしたち教職実習生16名が神さまから遣わされています。そのうちのわたし以外の15名が横須賀学院の卒業生で、卒業後5年以内の方が大半です。先日、実習生のいる本館4階のチューターズルームに卒業生3名が訪ねてくださいました。同期の卒業生が教育実習をしているから顔を出してくださったそうです。これも聖霊の招きがなければ起こらないことだと思います。なんでもなさそうなことが、敬神愛人の建学の精神が息づく中で起きているのです。
わたしは、横須賀学院の卒業生ではありませんが、だからこそ、そうした隣人愛の精神があちこちで実践されていることが強く印象に残ります。そして、横須賀学院への神さまの祝福の中に、私も滑り込ませていただいたことに感謝しているのです。
(祈り)
神さま、感染症対策をしている中にあって、これまで通りには出来ないことがありますが、今朝も放送礼拝によって、あなたを賛美し礼拝できますことに感謝します。
一つ一つの小さな出来事が、明日の横須賀学院を育て、祝福の基になっていると思います。
神さまのご計画は、私たちには測り知ることが出来ませんが、私たちは、今を大切にして毎朝の礼拝と賛美で一日を始めています。あなたの恵みの中でわたしたちが枝を伸ばし、根を張って行くことが出来ますよう見守ってください。
新年度も2か月を過ぎ、ようやく学校に慣れてきました。
わたしたちに今与えられている恵みを一つ一つ指折り数えながら感謝します。
感謝と笑顔で、これからも学校生活が守られますように、お導きください。
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