本稿は、2016年9月18日の鎌倉教会・幼稚科での説教原稿です。金森涼子
あなたがどこに行こうとも、わたしは共にいて、
あなたの行く手から敵をことごとく絶ち、地上の大いなる者に並ぶ名声を与えよう。
(サムエル下7:9)
昔、イスラエルにはダビデさんという王様がいました。
イスラエルの歴史の基礎を築き上げた王様です。
周囲の国々からイスラエルを守る為に一生懸命につとめてきた、
勇気ある偉大な王様です。
背が高く素敵な容貌をした七人の兄がいて、その八番目の末の男の子でした。
ダビデさんには、王になるための特別な力や何らかの実績があったわけではありません。
ダビデさんは、牧草地で眠っていた子供時代から羊の番をしていたのですが、
いきなり王様になるようにと油を注がれました。
では、どうして、ダビデさんは王様になったのでしょうか。
それは、神さまがダビデさんを選んだからなのです。
神さまは、ただただ、ダビデさんの心をご覧になって、
ダビデさんを愛されたからなのです。
私たちは、神さまのこうした選択に対し、口をはさむことはできません。
こうして、神さまからダビデさんに対して、
イスラエルの王様としてのその大切な務めが託されました。
イスラエルの中で、もめ事がおこらないようにしなければなりません。
イスラエルを外国の大きな国から守らなければいけない時もあります。
また、イスラエルを経済的にも豊かにして、人々の暮らしも守らなければいけません。
ダビデさんは、王様として、
○イスラエルの12部族を、ひとつの国民としました。
○軍事統合をして、指揮しました。
○エルサレムを、都としました。
○エルサレムに契約の箱を運び、「神さまを第一とする意思」を強く示しました。
王様として立派な業績を残したダビデさんでしたが、
家庭的な問題には恵まれなかったようです。
そして、人生の終わりの方では、一人ぼっちだった様子が聖書に記されているのです。
さて、今日お読みした聖書箇所に戻ります。9節をご覧ください。
「あなたがどこに行こうとも、わたしは共にいて、
あなたの行く手から敵をことごとく絶ち、
地上の大いなる者に並ぶ名声を与えよう」
と書かれていますね。
神さまは、ダビデさんが「どこに行こうとも、共にいる」という、
力強い約束をしてくださっているのです。
ですから、ダビデさんの働きの背後には、神さまが共に生きて働かれます。
神さまが、ダビデさんを守るだけではなく、
ダビデさんに託されているイスラエルの国を守ってくださる
ということを意味しているとも言えるでしょう。
ダビデさんの、「社会的な名声」と「家族との不和」を重ね合わせてみると、
私の頭の中でこんな風に整理されました。
私たちには、「それぞれの一家、家庭・家族」が与えられています。
王家ではなくても、自分の家庭では、お父さまが王様です。
その王様が「神さまから愛されて、自分が家長に選ばれた」
「自分と共に、神さまが生きて働いてくださる」という確信を持てなくて、
心がゆらゆらしていたら、家族もゆらゆら、ぐらぐらしてきます。
「人生の大事な優先順位」を考えましょう。
共に生きて働いてくださる神さまが一番です。
そして家族が2番、自分や仕事は3番、4番です。
残念ながら、この優先順位を勘違いして「仕事が一番」としてしまう人が多いのです。
「人生の大事な優先順位」を間違えると、平安な家庭を築くことはできません。
忙しさの中あって、この日曜日の朝、礼拝に出席してくださっている、
お父さま、お母さまは、恵みの中を歩まれています。
でも、皆さんは、仕事を優先させるあまり、
奥様やお子さんの心を踏みにじってしまった、今も時々している
といったことはありませんか。現代社会で沢山の失敗事例があります。
仕事は幾度も挑戦できますが、家族の心に傷が出来たら大変です。
ご家族を大切に、お子さんと一緒に過ごす時間を大切にしてください。
子育ては1度だけです。
子供たちは、親の思うとおりには育たないが、親のする通りにはする。
子供は、親の愛を食べて生きる。
こんな風に、私は、自分の子育てを通して学んできました。
そして、イスラエルの歴史から学べることは、
私たちの人生が神さまの愛に包まれていて、
すべてに神さまの意思が働いているということです。
ダビデさんにだけではなく、私たち一人一人が、神さまの愛に溢れた時の中で
精一杯生きるようにと招かれています。
この神さまの招きに、応えていけるようにお祈りしたいと思います。
お祈りいたします。
恵み深き愛する天のお父様
今日 、ここに招かれましたお一人お一人を愛してくださり、
どんなときにも私たちと共にいてくださることを感謝します。
お一人お一人を主の御顔の光で照らし続けてください。
お一人お一人を励まし続け、祝福してください。
すべての人に、注がれ続けられる神さまの愛と憐れみを感謝します。
尊き主イエス・キリストの御名を通して、お祈りをお捧げいたします。 アーメン
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